ペットの病気辞典
おなかの虫は、目に見えないうえに実際に寄生されていたときの症状も軽いため、気づくのは大変困難です。しかし、発見が遅れると、虫卵が飼育環境に広がり、飼い主さんにも感染するリスクが高まります。以下に、おなかの虫の駆除対策についてご紹介します。
おなかの虫の見つけ方
おなかの虫は、糞便などに混じって肉眼で発見できる虫もいれば、とても小さく肉眼では発見できない虫もいます。いずれの場合にしても、寄生が明らかになった段階ですぐに駆除することが大切です。
【回虫・鉤虫・鞭虫】の場合
おなかの中で成虫になると、糞便と一緒に虫卵が産み出されます。ただし、とても小さく肉眼ではわからないため、特別な検査(虫卵検査)が必要です。
【瓜実条虫・猫条虫】の場合
切り離された体の一部(片節)が糞便と一緒に排出されるため、肉眼で見つけることができます。新鮮な糞便の表面で、白色またはやや赤みを帯びたゴマ粒のようなものが伸び縮みしていたら、それは瓜実条虫の片節です。
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検便で陰性だからといって、安心はできません
検便で虫卵が見つかれば寄生は確実ですが、陰性であっても安心はできません。寄生虫にはプレパテントピリオド※1があり、その期間中であれば感染していても、虫卵は見つからないからです(これを“見かけ陰性”といいます)。また卵は、糞便中に均等に分布しているわけではないため、一般的な直接塗抹法※2と呼ばれる検査方法では、卵が検出できないことがあります。
※ 1 プレパテントピリオド:宿主に感染後、虫卵や幼虫などを排出するまでの日数。その期間は寄生虫によりまちまち。
※ 2 直接塗抹法:スライドグラスに生理食塩水を滴下、少量の糞鞭をとって撹はんし、顕微鏡で確認する方法。
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おなかの虫の駆除対策は定期駆虫がポイント
前述の方法でおなかの虫が見つかったとしても、駆除薬を飲めばペットのおなかはキレイになります。しかし、飼育環境に散らばった虫卵までは駆除できません。糞便と一緒に排出された虫卵は、環境条件が良ければ約10?20日で感染力の高い卵(第3期幼虫、幼虫包蔵卵)となり、1年以上感染力を持ち続けることもあります。
飼育環境が虫卵で汚染されれば、ペットが再感染をくり返す原因にもなるうえ、同居のご家族(特に幼児がいる場合は危険)にも感染するリスクが高まります。したがって、おなかの虫の寄生・健康被害からペットと飼い主さんのご家族を守るためには、駆除薬の定期的な投与(定期駆虫)が必要です。
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